植物の酸素呼吸とエネルギー生成

光合成で作られた糖は、師管を通って植物内のあらゆるところに届けられます。
その糖と気孔から取り入れた酸素をミトコンドリアが消費して、エネルギーをATPの形で蓄え、二酸化炭素と水を生成します。ATPはタンパク質や核酸などを合成し細胞を作るエネルギーとなります。これを「好気呼吸」と言います。

ミトコンドリアの機能には鉄が必須であり、特にヘムの合成には二価鉄が重要な役割を果たします。ヘムは、ミトコンドリアで行われるエネルギー生産において酸化還元反応を触媒する酵素の活性中心として働きます。また、ミトコンドリアに鉄を運び込むタンパク質が存在し、これにより細胞内での鉄の分配が調節されます。このタンパク質は「MIT」(Mitochondrial Iron Transporter)と呼ばれ、ミトコンドリアの鉄トランスポーターとして機能します。

ミトコンドリアのマトリックスで行われるヘムの生合成の初期反応には、最近若返りサプリメントとしても注目されているアミノレブリン酸(ALA)へと変換されます。最終段階でプロトポルフィリンに鉄が結合してヘムが生成されます。

二価鉄やアミノレブリン酸を葉面散布することによりミトコンドリアを活性化し、植物の成長や果実の生育を促進する効果が期待できます。